歴史から考える特殊効果演出の多様性
2024年7月1日
ニュースレター 2024年7月号(VOL.43)歴史から考える特殊効果演出の多様性
新年度を迎えての決意
代表取締役 小峰 聖
当社は6月より第47期を迎えました。おかげさまで、5月までの第46期では増収増益、過去最高の売上高を上げることができました。
これは主に、コロナ禍の収束で演劇やコンサート、スポーツなどリアルイベントが増え、特殊効果演出ニーズに応えることができたからと捉えています。
この好調な状況が一過性のものとならないよう、業界全体の更なる発展に向け、新たな技術の導入やサービスの向上を図り、お客様のニーズにお応えすべく邁進してまいります。
特殊効果演出のよくいただく質問
特殊効果演出で用いられる「煙火」にはどのようなものがありますか?
当社が扱う「煙火」について、シリーズでお伝えします。
その2.煙火の種類 昭和~現代①
今回は、昭和の時代から使用されている煙火についてご紹介します。
上の表に示すとおり、特殊効果演出で使用する煙火は多種多様で、今回ご紹介しているアイテムはその中のほんの一部です。これらの煙火素材について、時代による変遷を見ていくと、日本で特殊効果演出業が始まった昭和の頃は、映画やTVでの特撮用途が中心で、これらは火薬を用いたいわばプロ仕様の「花火」。多くは国産で、メーカーでは作り置きのない受注生産となります。これらの素材は、酸化や湿気に弱く長期保存に適していないことから、使い切ることが推奨されています。
その後時代の変化と共に、これら伝統的な日本の煙火素材の一部は、より機能に優れ、使い勝手のよい外国製のアイテムに取って代わられることとなります。
例えば、銀煙弾は平成以降に登場するマインSSに、また噴水花火のジャーブはスパークラーに、用途を代表する座を譲っています。
とはいえ、他の業界と同様に、近年の素材や機材の発展は、最初に開発されたものを礎としています。扱う商品の変遷を知っておくことは、この業界に携わるプロとして意義あることの一つではないかと当社では考えております。
SFXの歴史 その4SFXの歴史をシリーズでお届けしています。今回はその最終回。
CGI: コンピューター・グラフィックス
コンピューターアニメーションの歴史は1940年代にまでさかのぼりますが、この技術が人気を博するようになったのは、1970年代のSF映画『ウエストワールド』や1980年代のディズニー映画『トロン』の成功によるものでした。CGIは瞬く間に業界の最前線となり、コンピューターソフトウェアを使って非常に詳細なモデルやセット、さらにはキャラクター全体を作成することが可能になりました。
CGIはその後何十年にもわたり、アカデミー賞視覚効果賞を受賞し続けてきました。『トータル・リコール』、ジェームズ・キャメロン監督の『ターミネーター2』や『タイタニック』、リドリー・スコット監督の『グラディエーター』、『スパイダーマン2』、そしてブラッド・ピットが若返っていく役を演じたデヴィッド・フィンチャー監督の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などが代表的な例です。
その一方で、多くの映画製作者は今なお、現物および撮影による特殊効果を採用し続けています。このように、特殊効果はリアルとバーチャルの両方で発展をし続けているということが、歴史からもわかりますね。
次回からはまた違うテーマでお届けします。どうぞお楽しみに。
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